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北嶋孝のアーカイブ

パラドックス定数「怪人21面相」

  • 投稿者: 北嶋孝
  • 2006年5月21日 19:38
  • 北嶋孝

 パラドックス定数は「『個人と社会の相克』をテーマに」(同webサイト)骨太の作品を矢継ぎ早に発表してきました。「主宰・野木萌葱の作品を上演活動する組織」と規定しているだけあって、野木作品の構成力が最大の魅力であり、基本的にはセリフだけの潔い会話劇が特徴です。今回の第10回公演「怪人21面相」(渋谷space EDGE、5月12日-14日)は、三億円事件」「731」に続く、戦後未解決事件シリーズの集大成と銘打って、劇場型犯罪のはしりとなったグリコ・森永事件を取り上げました。無理筋ともみえるきわどい構成だったのではないかと思いますが、それだけにドラマチックな起伏を折り込んだ迫力は手応え十分でした。

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tpt「皆に伝えよ!ソイレントグリーンは人肉だと」(ルネ・ポレシュ作・演出)

  • 投稿者: 北嶋孝
  • 2006年5月2日 00:54
  • 北嶋孝

 海外から演出家がやってきて、日本人俳優を起用して斬新なスタイルの舞台をみせてくれることが多くなりました。入れ替わり異なった演技・演劇観にさらされる俳優は、なかなか大変ではないでしょうか。ドイツの劇作家・演出家ルネ・ポレシュが自作を演出したtpt公演「皆に伝えよ!ソイレントグリーンは人肉だと」をみて、そんなことをあらためて考えさせられました(ベニサン・ピット、3月29日-4月16日)。

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風琴工房「砂漠の音階」

  • 投稿者: 北嶋孝
  • 2006年4月19日 00:39
  • 北嶋孝

 風琴工房の「砂漠の音階」公演が東京・下北沢のザ・スズナリで開かれました(4月5日-12日)。昨年の「機械と音楽」公演(2005年3月)は「革命後のロシアで『新しい社会・新しい芸術』に挑み続けたアヴァンギャルドの建築家にスポットを当てた」作品だったそうです。その過程で「政治がもたらした社会と個人のあいだの軋轢ではなく、革命という青春の時代を生きた芸術家たちの原初的な魅力に満ちたその創造の物語」に胸打たれ、作者の詩森ろばさんは「芸術の持つ、ゼロからなにかを生み出すエネルギー」が「やはりたったひとつの逞しい希望であることをわたしは身を持って知った」(企画書より「機械から砂漠、音楽から音階へ」)と言います。これが最新作のモチーフなのでしょう。例えば、次のような受け止め方に、舞台の手応えが表れているのかもしれません。

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ドイツ座「エミーリア・ガロッティ」

  • 投稿者: 北嶋孝
  • 2006年4月12日 22:18
  • 北嶋孝

 ドイツ座「エミーリア・ガロッティ」公演は、演出・演技、舞台装置・美術、照明、音楽などが溶け合って見事な舞台空間を造形しました。封建的な貞節観念と父性の相克、王侯貴族と興隆する市民階級の軋轢を扱った歴史劇は、男女の愛憎が絡み合う光と影の現代ドラマに姿を変え、私たちの胸をかきむしります。「堪能」という表現がぴったりの、味わい深い舞台でした(彩の国さいたま芸術劇場、3月19日-21日)。

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「ベラージオ」と「セックスハビッツ・オブ・アメリカンウィメン」 アメリカ現代戯曲&劇作家シリーズVol.1(下)

  • 投稿者: 北嶋孝
  • 2006年3月9日 23:52
  • 北嶋孝

 東京芸術祭「アメリカ現代戯曲&劇作家シリーズVol.1 ドラマリーディング」リポートの後編は、「ベラージオ」と「セックスハビッツ・オブ・アメリカンウィメン」を取り上げました。またもや長々と書きましたが、お付き合いください。

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「メイヘム」と「アクト・ア・レディ」 アメリカ現代戯曲&劇作家シリーズVol.1 ドラマリーディング(上)

  • 投稿者: 北嶋孝
  • 2006年3月8日 00:35
  • 北嶋孝

 これまで中東と東欧の舞台を精力的に紹介してきた東京国際芸術祭(TIF)が今年から、現代アメリカの作品を取り上げました。3年間継続のプログラムです。ヨーロッパやアジアのパフォーマンス・アートは日本でよくみられるようになりましたが、演劇を通してアメリカの「いま」に接する機会は意外に多くありません。「アメリカ現代戯曲&劇作家シリーズ/ドラマリーディング」と題して、今年はとりあえず4作品が紹介されました。やっとというべきか、いよいよというべきか、時宜にかなったTIFらしい企画ではないでしょうか。リーディング形式での紹介ですが、いわゆる小劇場系の演出家も起用して、ひと味違った「上演」に仕立てる趣向だったようです。

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人形劇団プーク「現代版・イソップ『約束…』」

  • 投稿者: 北嶋孝
  • 2006年2月15日 23:39
  • 北嶋孝

 あーあ、おもしろかった。おもしろすぎて、涙が出てくるほど笑い転げてしまいました。風刺の効いたストーリー、卓抜な人形造形、熟達の演技と演出-。こまばアゴラ劇場が主催する「冬のサミット2005」に、昨年に続いて登場した人形劇団プークは、内外の公演で鍛えた技法をさりげなく駆使して、楽しくも切ないお話を届けてくれました。この人形劇団を選んだプログラムもすばらしいのですが、その機縁を倍にしておつりが出るほどの舞台をみせたプークにはおそれいりました。恐るべし、人形劇団プーク。

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庭劇団ペニノ「ダークマスター」

  • 投稿者: 北嶋孝
  • 2006年2月4日 19:58
  • 北嶋孝

庭劇団ペニノ「ダークマスター」公演は不思議な芝居でした。物語に起承転結はあるのですが、それが大事かというと、どうもそうではなさそうです。オブジェというか、大がかりな舞台セットが圧倒的な存在感で迫る芝居。ほとんどそれに尽きるようなお話だったといえばいいのではないでしょうか。ただ、その先が問題ではありますが。

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中野成樹インタビュー

  • 投稿者: 北嶋孝
  • 2006年2月2日 23:00
  • 北嶋孝

インタビューランド第4回 「根っこはないけど大切にしたいものはある-『誤意訳版』翻訳劇の源」を掲載しました。
「中野成樹(POOL-5)+フランケンズ」の中野さんは、昨年岸田國士戯曲賞を受賞したチェルフィッチュの岡田利規さんらと共に、横浜STスポットの契約アーティストとして知られ、「誤意訳」と銘打って翻訳劇に取り組む異色の演出家です。東京国際芸術祭「アメリカ現代戯曲&劇作家シリーズ・ドラマリーディング」で『セックスハビッツ・オブ・アメリカンウィメン』」(2月11日-12日)の演出を担当。今年の活躍が期待される1人です。いまなぜ翻訳劇か、誤意訳とは何か、演劇のおもしろさに迫るインタビューをご一読ください。聞き手はwonderland執筆者でもある柳沢望さんです。


机上風景「グランデリニア」

  • 投稿者: 北嶋孝
  • 2006年1月9日 15:05
  • 北嶋孝

 年明けから注目すべき舞台に出会うことができました。トリコA・プロデュース「他人(初期化する場合)」(駒場アゴラ劇場)とCOLLOL「性能のよい-シェークスピア作『オセロ』より」(王子小劇場)です。これらの作品には近く触れるとして、昨年末に開かれた机上風景の「グランデリニア」公演を取り上げました。年越しの宿題となっていたので、遅れをわびつつ掲載します

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