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な行のアーカイブ
青年団「別れの唄」(日仏合同公演)
- 2007年4月27日 22:40
- 中村隆一郎
◎東京で見る月も、パリで見る月も
中村隆一郎(「演劇時評」サイト主宰)
平田オリザがティヨンヴィル・ロレーヌ国立演劇センターの依頼で、フランス国内における公演を前提に書いた。旅回りはすでに始まっているが、途中東京で五日間だけ上演されたもの、このあとパリなどでの公演が待っている。演出のロラン・グッドマンはこの劇場センターの芸術監督のような立場にあるようで、平田とは青年団の「国際交流プロジェクト」で何度も共同作業の実績がある。
COLLOL「きみをあらいながせ~宮澤賢治作「銀河鉄道の夜」より」
- 2007年4月7日 21:15
- 中村昇司
◎主題と変奏のシフトで複数化された物語
中村昇司(雑誌編集者)
きみをあらいながせ。
そのタイトルを聞いて、おかしな言葉だな、と思った。主体と客体がねじれているような違和感がある。きみをあらいながす、のであれば丸く収まったのだが、ここには「きみ」をあらいながすべき「私」(あるいは「きみ」)以外に、もうひとり私にそれを促す私がいる。「きみ‐私1」の関係から「私1‐私2」に、途中で主客がシフトしている。独白か、対話かも知れない、ちょうど曇った鏡に言葉を掛けるような彼此の不確かさをもつ、あやうい言葉だ。
DULL-COLORED POP「ベツレヘム精神病院」
- 2007年3月19日 04:08
- 西村博子
以前の「新劇」で言えば開幕を告げるベル。オルタネイテイブ演劇でいえば携帯は~、場内の飲食は~などと開幕前に言うお決まりの諸注意。これぐらいキライなものはない。とくに「新劇」の芸術至上や教養主義に背を向けたはずの後者の場合、劇場への配慮かも知れないけど、そんなことぐちゃぐちゃ言ってないで、もし迷惑な人がいたら周りの客がシーッとその人を睨むぐらいの芝居すりゃいいのにと内心いつも思ってた。ところが谷賢一作・演出の「ベツレヘム精神病院」。まあいちおう、制作のひとが前に出て何かそんなことも言っていたようだけど、そんなことお構いなしに、同時進行で白衣の医者が舞台を横切り職員が出てきて芝居はどんどん始まっていく。お、すっごくいいセンス!と初っぱなから期待が膨らんだ。
タッタタ探検組合「ハイパーおじいちゃん3 おじいちゃん月へ行く」
- 2007年3月8日 17:25
- 西村博子
◎面白いことならなんでも演ろう 演劇の可能性を開く舞台
西村博子(アリスフェスティバル・プロデューサー)
運がいいと年に数回、ええッ、こんな○○○芝居あり!?と驚くことがあるが、タッタタ探検組合の「ハイパーおじいちゃん3-おじいちゃん月へ行く」(牧島敦作/牧島・谷口有演出)はまさにその一つだった。○○○にはヘンなと入れてもいいし、楽しいとか素敵なでもいいし、要するに、私にとって新しい発見があり、演劇の可能性をまた一つ開いてくれた、という意味である。
青年団「ソウル市民」三部作
- 2007年1月12日 23:53
- 中西理
◎共時的構造を重ねて「歴史」を提示する 平田版「桜の園」の予感も
中西理(演劇コラムニスト)
平田オリザによる「ソウル市民」3部作は非常に興味深い舞台であった。この3部作はそれぞれが独立した作品でありながら、あきらかに同一の形式(最後に明らかに不条理なことが起こって終わることなど)が変奏を加えながら反復されるという特異な構造を持っている。そして、その形式性がちょうどクラシック音楽における交響楽がそうであるようにそれぞれ独立した音楽としてのまとまりをそれぞれの楽章が持っているのにその形式がひとつのかたまりとしての一体感を与えるというような構造を持つ、ここにこの3部作の大きな特徴があった。
エジンバラ演劇祭2006-7(最終回)
- 2006年12月30日 18:43
- 中西理
◎明確な戦略で積極参加を 日本勢の活躍に期待
中西理(演劇コラムニスト)
AURORANOVA FESTIVAL(アウロラノヴァ・フェスティバル)*1はエジンバラ・フリンジフェスティバルで唯一、海外から参加の劇団も含めフィジカルシアターとダンスの演目だけを集めて行っているフェスティバルである。これまでの年でも複数のカンパニーがFringe FirstやHerald Angel Awards といった優れた公演を対象とした賞を受賞しており、Fringe公演ながら公演内容の水準の高さには定評があり、地元メディアからも注目され高い評価を受けている。 今年は全部で13演目ですべての演目を見ることができた。
エジンバラ演劇祭2006-6
- 2006年11月30日 10:00
- 中西理
◎重要な独自技術の獲得と蓄積 既存テクニックの戦略的排除と同時に
中西理(演劇コラムニスト)
DANSE BASEの特徴はコンテンポラリーダンスの拠点というわけではなくて、ダンス全体の拠点だということにもある。もちろん、英国系の現代ダンス作品を紹介するというのがこの施設の大きな役割ではあるのだけれど、民族舞踊的な要素の強い海外のカンパニーの作品やヒップホップ、あるいは本来の英国ダンスの中心であるバレエなども一緒に紹介されているのが面白いところだ。
タテヨコ企画「フラミンゴの夢」
- 2006年11月24日 14:57
- 楢原拓
◎不条理な展開が生むおかしみ ナチュラルな行為の積み重ねの先で
楢原拓
タテヨコ企画は、作・演出の横田修さんと俳優の舘智子さんの二人で結成され、その二人の名前、「舘」と「横」からとってつけられた劇団名だそうです。
初見の私としては、周辺の人の話から、なんとなく淡々とした静かな芝居を勝手に想像していたのですが、それがなかなかコミカルで飽きさせない、どちらかというとウェルメイドなつくりの芝居に仕上がっていて、とても楽しく拝見することができました。
エジンバラ演劇祭2006-5
- 2006年11月24日 14:36
- 中西理
◎分かりやすいダンスにきわどい性描写 DANCE BASEの独自プログラム
中西理(演劇コラムニスト)
エジンバラ演劇祭は本来、演劇(特にコメディーショー)を中心にしたフェスティバルでアビニョン演劇祭などと比較したときにはダンスのプログラムにはそれほど強くない。そういうなかでDANCE BASEとAURORA NOVA FESTIVALが開催されているSt.Stephen はレベルの高いダンスやフィジカルシアターを見ることができる貴重なプログラムを提供している。
エジンバラ演劇祭2006-4
- 2006年11月9日 10:28
- 中西理
◎シェイクスピアとシャーロック・ホームズを楽しむ
中西理(演劇コラムニスト)
エジンバラはスコットランドの首都である。日本では英国といえばイングランドもスコットランドも一緒くたにされてしまいがちだが、現地に行ってはっきり分かるのは、スコットランドにはイングランドとはまったく違う国民意識や愛国心があるということだ。「マクベス」はシェイクスピアの代表作品であるがこれがスコットランドの王位争いを巡る物語であることはとりわけこのエジンバラ演劇祭では強く意識されている。ご当地ものということもあって、毎年、この作品はさまざまなカンパニーがさまざまな工夫を凝らした演出で上演。華を競っているのだ。
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