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な行のアーカイブ

劇団東演「どん底」

◎「絶望の闇」見せる演出
中尾祐子

「どん底」公演チラシ1966年の初演後、日本全国を巡演し、節目節目に再演してきた老舗劇団の代表作が、創立50周年を記念して再び幕を開けた。演出は八田元夫、千田是也と続き、3代目にあたるロシアの鬼才ワレリー・ベリャコーヴィッチ。1998年に朝日生命ホールで初演をふみ、今回が4度目の挑戦である。

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虚構の劇団「ハッシャ・バイ」

◎真摯だけれど何か物足りない 清志郎の歌を聴きながら
直井玲子

「ハッシャ・バイ」公演チラシ今年の5月2日からずっと、忌野清志郎の歌ばかりを聴いている。この日、清志郎が亡くなったのだ。大人になって長い間その存在を忘れかけていたけれど、清志郎は私の少女時代のアイドルだった。連日CDやDVD、もちろんYouTubeを見続けいていると、新たな発見がたくさんあってやめられなくなる。

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珍しいキノコ舞踊団 ×plaplax 「The Rainy Table」

  • 投稿者: 編集部
  • 2009年6月7日 23:58
  • 中西理

◎ファンタジーの世界を描き出す ダンスと映像の掛け合いの面白さ
中西理

「The Rainy Table」公演チラシ珍しいキノコ舞踊団 の新作「The Rainy Table」を山口情報文化センター(YCAM)で観劇した(3月1日観劇)。珍しいキノコ舞踊団とメディアアートのplaplax、そして音楽にはBuffalo Daughterの大野由美子、衣装にAOMIといつもとは少し違う組み合わせによるコラボレーション(共同制作)作品である。YCAMに長期滞在して現地制作した。

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サーカス劇場「カラス」

◎底の底の願いを掬い上げてくれ 利口で美しいカラスを脳裏に
西村博子

「カラス」公演チラシ舞台は東京のどこかのガード下。壁に手の跡、人影などいろんなシミや落書きがある。と、いきなりバイクが突っ走り、元男性のカラスおばさんが廃棄物いっぱいの自転車押しながら出てきて歌い出す。

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劇団印象「青鬼」(再演版)

◎「妻の愛情物語」ではもったいない とびぬけた舞台になったけど
西村博子

「青鬼」(再演版)公演チラシこの4月2日、ある劇評セミナーの帰り、途中まで地下鉄をごいっしょした劇団印象のプロデューサーまつながかよこさん。あの日「愛の物語になっちゃったね」とひとこと言って私は帰ったという。横浜相鉄本多劇場の「青鬼」を見せてもらった日のことである(2009年3月21日所見)。その作・演出鈴木厚人さんもいっしょだったので自称び探検隊長の私はヤッホー!(二本の指でV字作って)のご満悦だった。

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桃唄309「おやすみ、おじさん3 – 草の子、見えずの雪ふる」

  • 投稿者: 編集部
  • 2009年2月15日 23:35
  • 中西理

◎「メタ関係性の演劇」の開拓 カット割り構造の舞台化も
中西理(演劇・舞踊批評)

「おやすみ、おじさん3 - 草の子、見えずの雪ふる」公演チラシ群像会話劇の形でその背後に隠れた人間関係や構造を提示する「関係性の演劇」は1990年代以降の日本現代演劇で大きな流れを形成してきた。桃唄309の長谷基弘もその一翼を担う重要な劇作家だが、長谷には平田オリザや岩松了、松田正隆、長谷川孝治らと比較したときにスタイルに大きな違いがある。

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青年団「冒険王」

「怠惰、退廃」から「真摯」へ 「世界旅行」の変容と批評性の喪失
西川泰功(学生)

「冒険王」公演チラシ2008年12月7日18時開演の青年団『冒険王』を観劇した。劇場で配布されたパンフレットに作、演出の平田オリザ氏はこう書いている。

「96年の時点で描いた70年代末の若者像は、たしかに怠惰、退廃を描写したのだ。それが12年後のいま、真摯な若者たちに見えるということはどういうことだろう。」

私は『冒険王』初見である。が、観劇するうち私のなかに湧いた思いは、この作家の問いはアクチュアルな力をもったものだ、ということだった。そのことについて書きたい。

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劇団青羽「足跡のなかで」

◎「私たち」を描く申し分ない同時代劇
西村博子

劇団青羽「足跡のなかで」公演チラシ舞台の冒頭、憂いを含んだピアノ曲。そのリズムに乗って町の人々が列をなしてソ、ソ、ソ、そ、そ、そと、やや漫画チックに走りこんで来て舞台後方や両袖、それぞれ所定の位置につく。と、つづいて青格子のシャツ、スラリと背の高い、ちょっと憂いを含んで美しい青年(李憲在)が中央の小さな空き家、米屋という看板のある廃屋にすうっと立つ。これはイクゾ!と思った。そしてその予感はみごとに的中した。

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マレビトの会「血の婚礼」

  • 投稿者: 編集部
  • 2008年6月13日 00:02
  • 中西理

◎松田正隆の「演出家宣言」
中西理(演劇・舞踊批評)

マレビトの会は劇作家、松田正隆の率いる劇団である。今回は初の試みとして松田戯曲以外の上演に挑戦した。シリーズ「戯曲との出会い」vol.1と題しガルシア・ロルカの「血の婚礼」を松田が演出、上演したのである。

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五反田団「偉大なる生活の冒険」

  • 投稿者: 編集部
  • 2008年4月6日 23:52
  • 中西理

◎「内部」に閉じる世界を躊躇なく肯定する 前田ワールドの特徴と凄さ
中西理(演劇・舞踊批評)

「偉大なる生活の冒険」公演チラシ岸田国士戯曲賞を受賞したばかりの前田司郎(五反田団)の新作である。受賞後第1作となるが、相変わらず「ダメ男」を描かせたら日本一という前田らしさを存分に発揮した舞台に仕上がっていて、思わずニヤリとさせられる。
芥川賞候補となった自作の小説「グレート生活アドベンチャー」の舞台版なのだが、小説と舞台を比較すると主人公の男(前田司郎)の「ダメ」ぶりは一層グレードアップした感がある。

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