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な行のアーカイブ
HUSTLE MANIA「青青青!!!」
- 2005年3月22日 06:11
- 西村博子
あんまりスポーツのこと知らない私が言うことだからアテにはならないが、ラグビーはいちばん垢抜けしない、男臭いスポーツのように思われるのだが、どうだろう。飾り気がないといえば飾り気ないから好感度が低いわけではないが、憧れからほど遠いのは確かである。お世辞にも素敵なデザインとは言えないその横縞の汗っぽいユニホームは、アメリカン・フットボールや野球のそれとちがって太ももの筋肉から下腹の脂肪まですっかり剥き出し。サッカーのユニホームも似たようなものだけれど、泥んこの量が圧倒的にちがう。スマートに走り回るサッカー選手とちがって、ボール抱えて転げたり体こごめて尻をつきだし揉みあったりするからにちがいない。第一ラグビーには、メジャ-リーグだのアジア・カップだのといった陽など全く当らない。渋谷・F・真和作、瀧澤☆孝則演出の「青青青!!!」はそういうラグビーだった、じゃない芝居だった。
以下、全文をご覧ください。
Big Smile「paper planes」
- 2005年3月22日 05:39
- 西村博子
プリンアラモード鯖「DOCK’N DOCK’N」
- 2005年3月22日 05:33
- 西村博子
「僕はフリーターです。夜間のアルバイトをして暮らしているフリーターです」――開演前のちょっとした時間に読んだ作・演出細川貴史の「鯖のたわごと」は、こんな書き出しから始まっていた。それは、バイト帰りにコンビニの前でタバコを吸っていたら、ホームレスのおっちゃんから声をかけられたときのこと。たとえそれが知人でも心の準備がなかったら「しどろもどろのこんにゃく」になってしまうという細川は「その場にフリーズ」。タバコ1本やっと渡すと一目散に逃げ出したというのだ。東京なんか出てくるんじゃなかった。これから用のないところに絶対立ち止まらないぞ。人生を投げたりしないぞ……と「あらゆる後悔をしながら」。
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鳳劇団「昭和元禄桃尻娘」
- 2005年3月22日 05:28
- 西村博子
タイトル見たとき思わずカナンワーと首をすくめた。電車の中でおっちゃんたちがよく読んでるスポーツ新聞、そのピンク見出しと同じセンスだからだ。実際、鳳劇団の一本柱かぢゅよと康実紗(劇団アランサムセ)のピチピチ娘、二人だけの1時間半。たとえば踊りに股を開いて♪モッコリ、モッコリ」 両手をハスに上下する手振りがあったり、たとえば○○タマとあけすけな単語が飛び出したり。女優さんたちよう演るわ、よう演らせるわとカンシンする個所も少なくない。游劇社から今回の鳳劇団旗揚げへ。鳳いく太は、怒れる息子世代から現実受け入れのオジン世代へ確実に変貌した、と私は感じた。成長、ではない。受け入れざるをえないから受け入れたのだ。
以下、全文をご覧ください。
Jules†ジュール「砂城のビショップ」
- 2005年3月22日 05:24
- 西村博子
憂いを含んで、きりっとしたルックスも素敵だが、少年サキヤ(伊東香穂里)のほっそりとした両肩、その背中がとりわけ魅力的だった。黒十字のリボンでうしろを絞った白いワイシャツ、細身の黒いズボンもよく似合う。 最近、男優の扮する女性で美しいといえるのが滅多にないのは、たぶん、あれもこれも同じような仕草、同じようなメーキャップ。シホンシュギシャカイにおける女性の商品価値をその美と思いこんでいるせいだろう。それに比べると女優の少年のほうは、こうすれば美少年というジョーシキなんてないから、そのひととして美しいかどうかだけが問われる。もし魅力的ならそのひとにしかない魅力、ということになる。
以下、全文をご覧ください。
劇団きらら「ほね屋」
- 2005年3月22日 05:20
- 西村博子
昨年上海演劇大学から、3年に1度開催する国際実験演劇祭in Shanghai にAlice Festival2004から何かいい作品をという依頼をもらったとき、私は躊躇なくAlice 賞の劇団きらら「キリンの眼」を推した。それから始まったいろいろな連絡やりとり。そのうちの一つに、作・演出の池田美樹さんから新作「ほね屋」で行きたい、それで熊本、福岡、東京へも、という希望が出た。で、そのことを上海に。まだ見てない作品、さてそのタイトルをどう伝えよう? 頭をかしげて、とりあえずBone‐sellerと直訳しておいた。
以下、全文をご覧ください。
DEAD STOCK UNION「メルティング ポット」
- 2005年3月22日 05:10
- 西村博子
――たっぷりの在庫、上質の人情喜劇――
まず、役者が揃ってる!ことに驚いた。劇団の公演で老人役を若い人が演るとか、やむを得ぬミスキャストはよくあることだが、ここデッドストックのプロデュース公演にはそんなことがまるでなかった。デッドストックとは未来を目指す俳優たちの「在庫」の意とか、なるほど豊富な在庫から選び出された役者たちはそれぞれの役どころに実にぴったりだった。私の好みを先に言わせてもらうと、なかでもアネサンの二の子分アキラ(石田彬)はピカピカ若くてカッコよくて、意外に可愛い弱虫で、最高に魅力的だった。役者はただ筋を運ぶだけじゃなく、その前にまず観るものを魅了しなくちゃと改めて思ったことだった。
以下、全文をご覧ください。
野鳩「お花畑でつかまえて」
- 2005年3月18日 18:18
- 西村博子
「お花畑でつかまえて」は、漫画大好き少年が、自分の漫画を舞台に描きたいと作、一作努力してきて、ついに完成!――最後のシーンになぞらえて言えば、ついに卒業!――した舞台だったといえよう。これまでの野鳩の最高の到達であった。
流山児★事務所「ハムレット」
- 2005年2月22日 18:50
- 西村博子
日韓演劇交流2005ワークショッププロジェクト公演と銘うたれていた。演出は流山児★事務所に招聘されて来日した玄志勳。10か月間の研修も終わりに近づき、その成果を公開しようというわけだ。実りのある、とてもいい企画だと思った。
演出の言葉に「初めて東京に来た。初めて東京の町を歩いた」……「そして初めて日本で演出した」云々とある。初々しい若武者の、胸の高鳴りが聞こえるようだった。出演は人形糸操り崔永度とヴァイオリンの朴昡柱、そのほか7人はすべて流山児★事務所の役者たちだったから、日韓演劇交流がかけ声だけでないこともよくわかる。
Ugly duckling 「フル・オーケストラ」
- 2005年2月18日 07:44
- 西村博子
ものすごくリキの入った、スケールのでかい装置にまず驚かされる。ヨーロッパ風の建物かなあ、広い舞台いっぱいに規則正しい長四角の石を積み上げたいくつかの階段や壁。町と言われればそんな気もするし、あちこちにマンホールの蓋があり、高い壁が上のほうでカーブを描き、ぽっかりあいた丸い穴に向かって垂直な梯子が伸びているので、都市の下を流れる下水道と見れば見えないこともない。
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