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や行のアーカイブ
#1. ポタライブの「源」
- 2005年9月25日 13:50
- 柳沢望
「散歩しながら楽しむ」路上演劇、「ポタライブ」に関するレビューは、ワンダーランドでも2005年5月28日の記事で紹介していただいた。この秋「アキマツリ」と銘打って新作、再演と取り揃えた連続上演がおこなわれている(詳細はポタライブ通信で)。
先日、「アキマツリ」の先頭をきって、ポタライブの第一作『源』が緊急再演された。舞台になる場所が消え去ってしまうため、上演可能な今、最後の再演がなされたのだという。このいきさつのなかに、ポタライブという演-劇スタイルの特質が見えてくるようだ。
『源』という作品に照準しつつジャンルとしての特質を考察しながら、ここで改めてポタライブを紹介してみたい。
ユニークポイント 『脈拍のリズム』
- 2005年9月18日 22:49
- 山関英人
結末に対する私自身の疑問をどう解消するか、で悩んだ作品だった。重いテーマではありつつも、人間の存在の不思議さについて沈思させた。布石の打ち方が巧妙な戯曲と、被害者の父親を演じた山路誠の演技を評価したい。
#0. 劇評と劇(場)の概念について
- 2005年9月18日 13:10
- 柳沢望
未来社のPR誌『未来』の2005年9月号が、舞台芸術関連の記事を二本載せている。そこから、このあいだの『ユリイカ』「小劇場」特集、についても触れつつ、劇と劇場、の概念についてちょっと考えてみたい。
猥雑な『天保十二年のシェイクスピア』
- 2005年9月15日 01:07
- 山関英人
舞台の途中で拍手が起こり、休憩前にも拍手があって、と観客席が沸(わ)いた『天保十二年のシェイクスピア』。文字通り、シェイクスピアの作品を江戸期のバクチ打ちの日常に移し換え、ことば遊びも巧妙に盛り込んだ井上ひさしの妙味と、華美な演出から一転して今回は猥雑(わいざつ)さを前面に打ち出した蜷川の手腕が、エンターテイメント性の高い喜劇を生んだ。もしもシェイクスピアがいなかったら、で始まる歌を聴きながら、『ロミオとジュリエット』で商業演劇に転身することになった蜷川は、もし歌詞通りだったら今ごろどうなっていただろうか、という想像も働いて、奇縁を不思議がり、偶然の「産物」を享受した。
再見 『戯曲 赤い月』
- 2005年9月8日 22:39
- 山関英人
『赤い月』にこだわっているわけではない。観劇したのが初日であったのと、座席が舞台から離れていたのが、しばらく気になっていた。主演の平淑恵の演技を評価しなかった、というのも頭から離れず、もう一度、観劇することにした。自らの観劇姿勢を問う、という試みでもある。
三条会『ニセS高原から』
- 2005年9月7日 03:09
- 吉田俊明
三条会の舞台から伝わってくるものは、身体の力強さと言葉の重量感、そして何よりも演出という意図が持つ意味の権力だ。それらが舞台空間の中に満遍なく、拡張しようとする意思と共に埋め込まれている。その彼らがこの度対峙した作品は、敢えてプラマイゼロの地点に佇もうとする平田オリザの作品「S高原から」である。この本の演出に際して三条会は、徐に反旗を翻すと、1時間弱という時間を懸けて盛大に戦いを挑んでいったのだ。
その時間は私には大変に心地の良いものであった。何故なら、そこには「S高原から」という脚本への愛と平田オリザという演出家への尊敬の念が満ちていたからだ。さもなくば、このような大胆不敵な二次創作は不可能であっただろうし、演出という意図が齎す表現の創造性に酔いしれる瞬間も訪れなかっただろう。
最後の一瞬で「ニセS高原から」は原版「S高原から」へと浸透していく。その光景は、2つの意図が生む結晶であり、暗闇の中に表現の楽園を見る思いだった。私は裏返る舞台という演出家の意図に感じるべき感情を見失ったのだった。
草稿は「デジログからあなろぐ」をご覧ください。
文学座 『戯曲 赤い月』
- 2005年8月30日 01:07
- 山関英人
23日から、東京・新宿にある紀伊國屋ホールで、文学座が『赤い月』を上演している(来月2日まで)。映画やテレビ・ラジオのドラマにもなった、なかにし礼の小説『赤い月』を、主役の波子を演じる平淑恵が企画し、なかにし自らが今回新たに書き下ろした。初日を観劇したけれども、場面の描写が微妙に不調和で、展開も駆け足、主人公波子の情念が足りない、というのが率直な印象だった。
蜷川 幸雄演出/大竹しのぶ主演『メディア』
- 2005年5月27日 09:54
- 山関英人
東京・渋谷のシアターコクーンで、蜷川 幸雄演出/大竹しのぶ主演『メディア』が上演されています。5月6日-28日の長丁場。いよいよ終盤に差し掛かっていますが、演劇記者の山関英人さんから蜷川さんへのインタビューを踏まえた劇評が届きました。ご覧ください。
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劇団唐組「鉛の兵隊」
- 2005年5月3日 21:32
- 吉田ユタカ
◎現在と昭和(?)が交錯する“大人の童話”
スタントマン事務所「ドタンバ」の若き星である二風谷(にぶや)。幼少時から二風谷とは仲ふかく、自衛隊員として赴任しているムサンナ州から帰国する七々雄(ななお)。七々雄の姉でパーラー<マリー・ゴールド>の華である冴(さえ)。弟思いの冴が、二風谷に七々雄の身代わり(スタント)を依頼し、なんとかその期待に応えようとする二風谷・・・というのが、複雑なストーリーのおおまかな導入部です。
TRASHMASTERS「trashtandard」
- 2004年10月31日 20:58
- 吉田ユタカ
スピード感のある展開、緊密な構成、意外な結末などで人気上昇中のTRASHMASTERS(トラッシュマスターズ)が新宿タイニイアリスで第9回公演「trashtandard」(10月21日-27日)を開きました。舞台セットがすばらしいステージでしたが、その芝居をみた吉田ユタカさんから、「蛇足なのか肝なのか? 衝撃的な“おまけ”に漂う余韻」と題するレビューをいただきました。「すべてが一本の線でつながった」という吉田さんの驚きと戸惑いが伝わってきます。以下、全文です。(北)
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