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連載企画のアーカイブ

連載企画 観客が発見する 第3回

◎「そこに人がいる」魅力
 高野しのぶ

 蓄積できるブログ形式

-高野さんはブログとメールマガジンの「しのぶの演劇レビュー」、それにツイッター、フェイスブックなどネットで発信しています。始まりは2004年でしたか。

高野 ブログは2004年からですが、友人が2000年に、誰でも書き込める「しのぶの観劇掲示板」というサイトを作ってくれたのが始まりです。掲示板は投稿が増えると過去ログが消えてしまう。それはもったいないから蓄積できる形式にしたらと勧める人がいて、ブログになりました。
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連載企画 観客が発見する 第2回

◎演劇と寄り添い合って生きる
 小泉うめさん

-今回の企画は、劇場に足しげく通っている人たちのインタビューです。

小泉 登場する人たちとはきっと、どこかの劇場でお会いしていると思います(笑)。

-そうですね。観客が何を考えているのか、何を見て、何を楽しんで、何に心を動かされているのか。そういう実情を明らかにしたいと、軽い気持ちでこの企画を始めました。ところがだんだんと…。小泉さんは関西出身とのことですが、どちらですか。

小泉 和歌山県です。高校卒業まで和歌山市内で育ちました。大阪までJRか南海電車で1時間くらいのところです。
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連載企画 観客が発見する 第1回

年10本見る人が1000人単位でいてほしい
 新道喜一郎さん

―舞台を作る人たちや、作られた舞台上の出来事だけから演劇を考えるのではなくて、見ている人も含めて演劇を考えてみたい、というのがワンダーランドの隠れコンセプトです。これまで劇評やレビューを書く人は研究者や評論家、演劇関係者が多かった。でもそれはある種、特別な観客でしょう。おそらく新道さんは劇場に通う回数は多いけれども、演劇の専門家との意識はないし自分のキャリアには結びついていないですよね。
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連載「もう一度見たい舞台」第8回 蜷川幸雄演出「近代能楽集 卒塔婆小町」

◎観劇は初恋のように
 高羽彩

 私の、「演劇」というものに対する興味の芽生えは、小学校中学年頃。
 わりと早いほうなんじゃないかと思う。
 とはいっても「物心ついた頃から子役として活躍してました!」なんて人と比べれば全く話にならないし、興味が芽生えたといっても「将来は女優さんになりたいです!」なんて具体的な目標を早くから掲げたわけでもない。
 あくまでも「なんとなく」。
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連載「もう一度見たい舞台」第7回 坂東玉三郎「鷺娘」

◎美しさの極み、至福の時
 堀越謙三(ユーロスペース代表)

もう一度見たい舞台7回program0a

『書かれた顔』プログラム表紙

 国内の若い監督やヨーロッパの監督と、これまで25本ぐらいの映画を製作してきたけど、ダニエル・シュミット監督(1941-2006)のドキュメンタリー映画『書かれた顔』がいちばん印象深いかな。板東玉三郎が主演だしね。と言っても、普通のドキュメンタリーじゃない。玉三郎の舞台も撮ってるけど、武原はんや舞踏の大野一雄の映像、それに杉村春子のインタビューも入ってる。玉三郎をめぐる男二人のさや当てみたいなフィクションもあって、不思議な映画、シュミットならではの映像になったと思う。
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連載「もう一度見たい舞台」第6回

◎燔犠大踏鑑「すさめ玉」
 大泉尚子

 その日は深夜、高い熱を出した。一緒に下宿暮らしをしていた姉によると、気持ち悪い、気持ち悪いと譫言のように言っていたそうだ。1972年、地方から東京の大学に入って間もない頃、情報通のクラスメートに連れられて、土方巽が演出・振付をした「すさめ玉」を見に行ったのだった。

 今はない、池袋西武百貨店ファウンテンホールでのその舞台は、芦川羊子、小林嵯峨など女の踊り手がメインだった。結い上げた髪に全身白塗り、思いっきり口角を引き下げたへの字の口に、目は半眼で時に白目を剥いたりギュッと真ん中に寄り目にしたりする。背を丸め、がに股でお尻を落とししゃがみこんだ姿勢で蟹歩きに這う。手首や足首は不自然に内側に曲がり、痙攣めいたギクシャクとした動き。
 「いざり」「足萎え」「不具」とか、口に出すのを憚られる言葉が頻々と頭を掠める。いや、言葉ではなくそういう身体そのものが目の前で蠢く。
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連載「もう一度見たい舞台」第5回

◎演劇集団キャラメルボックス「スキップ」
 片山幹生

 2003年の9月末、フランスに留学中だった私は心筋梗塞で入院し、手術を受けた。フランスの大学で博士課程の一年目に取得可能な学位であるDEA(専門研究課程修了証書)の論文を提出した直後だった。学位取得後、この年の12月に帰国。医学的他覚所見では順調に回復していると医者からは言われていたのだが、30代なかばで思いもよらぬ大病に襲われたショックは、自分が思っていた以上に心身に大きなダメージをもたらしていたのか、結局、一年間ぐらいは体調が思わしくなく、外出もままならぬ状態が続いた。
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連載「もう一度見たい舞台」第4回

◎新宿梁山泊「東京アパッチ族」
 水牛健太郎

 調べてみたら、この作品は一九九九年五月から六月にかけて神田花岡町の特設テントで上演されていた。私は一九九九年八月に、結果的に四年間に及んだアメリカ留学に出発したので、その直前に見たことになる。

 その頃の私は、演劇は見なかった。それまでの人生で確かに見たと言えるのは、小学生の時に市の文化会館で見せられた劇(確か、メキシコを舞台にした革命劇だった)と、高校の文化祭の演劇部の公演(作・演出の三年生が白塗りでオカマを演じた)ぐらいである。

 「東京アパッチ族」は、友人に勧められて見た。これがとても面白かったので、留学までの三か月足らずに、あと二、三本演劇を見た記憶がある。もっとも、留学中はブロードウェイで何回かミュージカルを見た程度。アメリカから帰って何か月も経ってから、「そういえば『東京アパッチ族』ってすっごく面白かった」と思いだし、これが演劇を見始める一つのきっかけになった。
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連載「もう一度見たい舞台」第3回

◎庭劇団ペニノ「アンダーグラウンド」
廣澤 梓

 22時の東急東横線の車内で、わたしの隣に座り眠っていた若い女性がケロリ、と嘔吐した。「ん、ん」とかわいらしい声をあげ、女性のからだが大きく2回波打ったのちのことだ。ゆっくりと目を覚ました彼女は自分に起きた異変を察して、口元に手を当てて指先の湿り気を確認すると、タイミングよく停車した電車から降りて行った。
 からだ全体が揺さぶられるほどの出来事を、女性は触覚という別の回路を使ってしか理解ができなかった。驚きと恐怖が混ざった感覚はいつまでも残り、すれちがう人たちひとりひとりの腹部に水をたたえた袋があることを想像して青ざめながら、わたしは過去に見たある芝居について思い出していた。
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連載企画「外国人が見る小劇場」番外寄稿

 この企画にはすでに5人の方々が登場しました。国別でいうと、韓国、ルーマニア、カナダ、イタリア、ドイツ。いずれもインタビューでした。今回は番外の特別寄稿です。筆者は、ドイツのセバスティアン・ブロイさん。昨年末にインタビューを申し込み、数度の遣り取りを経て、寄稿形式でまとめてもらうことになりました。その間の経緯はブロイさんが原稿の冒頭で触れています。
 「異なる文化的背景で育った『眼』を通してみると、日本発の舞台芸術がはらむ意外な特徴が浮かんでくるかもしれない」との企画趣旨でした。欧米だけでなく、中国や東南アジアの方とも折衝しましたが、今回は残念ながらアジアは韓国の方だけになりました。しかし限られた「眼」に照らされるにしても、(日本の)「小劇場の意外な特徴」がいくつも浮かんできました。今回の番外寄稿で「小劇場の魅力、可能性、限界」がさらに掘り深く明らかになるのではないでしょうか。(編集部)

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